貿易業務の為替予約FAQ

Q1. 貿易業務における「為替予約」とは何ですか？

為替予約とは、将来の外貨取引（輸出代金の受け取りや輸入代金の支払いなど）に適用する為替レートを、あらかじめ金融機関と契約して確定させておくことを指します。
これは銀行が提供するサービスの一つで、事前に決められたレートで将来の通貨交換を行うことを約束するものです。
この仕組みを利用することで、為替レートの変動リスクを回避することができます。

Q2. なぜ為替予約が必要なのですか？

為替レートは常に変動しており、契約時から決済時までの間にレートが不利な方向に動くと、予期せぬ損失（為替差損）が発生するリスクがあります。特に輸入業務では、想定していたレートより円安が進行すると支払額が増え、利益が減少、あるいは損失につながる可能性があります。
為替予約を行うことで、取引の採算を契約時点で確定させ、こうした為替変動リスクを回避することが主な目的です。これにより、安定した事業計画を立てることが可能になります。

Q3. 為替予約はどのように管理するのですか？

為替予約は、「いくらのレートで、何万ドル分を、いつまでの期間」といった内容で銀行と契約します。
企業は、この予約した金額（予約高）を、実際の輸出入取引に割り当てて（これを「引当」と呼びます）使用していきます。
予約した分は手数料が発生するため、有効期間内に無駄なく使い切る必要があり、どの取引にどの予約を割り当てるかといった管理が重要になります。

Q4. 為替予約の管理をシステム化するメリットは何ですか？

為替予約管理をシステム化すると、以下のようなメリットがあります。

● 予約残高のリアルタイムな把握
どの予約がどれだけ残っているか（予約残高）をリアルタイムで一元管理できます。これにより、「為替の在庫管理」のように効率的な運用が可能になります。

● 輸出入業務とのシームレスな連携
輸出入の契約データと為替予約情報をシステム上で直接連携（引当）させることができます。これにより、どの取引が為替リスクに対してヘッジされているかを明確に把握できます。

● 管理業務の効率化と標準化
どの取引にどの予約を割り当てるか、予約の消化状況はどうかといった管理業務をスムーズに行えるようになり、業務の標準化を推進できます。