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為替レートはどのように決まるの?

為替とは

実際の現金を伴わない決済取引のことを”為替”と呼びます。現金を直接授受しての取引はその受け渡しの際にリスクを伴うため、現金を直接授受せず、銀行振り込みや小切手などを使用して決済取引を行います。異なる通貨間で行われる為替取引のことを”外国為替取引”と呼びます。

為替レートとは

外国為替取引において、異なる通貨同士を交換する際の比率を”為替レート”と呼びます。”為替レートは”常に一定の比率を使用する”固定相場制”と、通貨の取引量に応じて変動する”変動相場制”があり、日本円は”変動相場制”が運用されています。

為替レートはどのように決まるの?

為替レートは通貨を交換したい者同士の合意によって決定します。異なる通貨の交換の多くは銀行を中心とした金融機関の間で行われており、その取引が行われている場所を一般に”外国為替市場”と呼びます。

”外国為替市場”においては取引する当事者同士の合意によって刻々とレートが変動します。その取引の当事者である金融機関がその中のある時点のレートを公表しており、それが一般に”為替レート”として知られているものになっています。

企業間で多通貨の取引を行う場合、多くは銀行を介して行うため、企業が決済や財務報告で使用する”為替レート”は、この金融機関が公表する”為替レート”が基準となります。

クロスレート

通貨を交換するためには、理論的にはあらゆる通貨のすべての組み合わせのレートが必要になります。

しかし、取引量の少ない通貨同士の組み合わせまで常に決定するのは現実的でないので、そのような場合、基準通貨であるUS$を介してレートを求めます。例えば、日本円を基準としたEUROに対するレートを求める場合、それぞれのUS$に対するレートがわかっていれば、

"1US$/日本円"のレート × "1EURO/US$"のレート

の計算をすることで、 "1EURO/日本円"のレートを求めることができます。日本国内で外貨取引を行う場合は一般に日本円を基準とした為替レートが用いられています。

為替レートの種類

為替レートには3種類の数値が存在します。

TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)レート
各金融機関が公表する基準となるレートです。主に、外貨建ての手持ち資産を円換算して評価する場合などに用います。

TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)レート
TTB(Telegraphic Transfer Buying rate)レート
TTSはTTMに為替手数料を加算したもので、金融機関が顧客へ外貨を売り円を買い取る時のレートです。
TTBはTTMに為替手数料を減算したもので、金融機関が顧客から円を買い取り外貨を売る時のレートです。

共に実際の外貨取引で使用され、損益の計算を行う場合などに用います。

為替差損益

外貨建の商品取引の損益を計算する場合、取引が成立した時点(=納品書類の授受が行なわれた時)のレートを用いて円換算した売上高または仕入高を求めます。

しかし、その取引の入出金が行われるまでにタイムラグが発生するため、実際に決済に使用されるレートは異なるものになります。

納品時のレートを用いて円換算した売上高または仕入高と、決済時のレートを用いて円換算した入出金額の差額が為替差損益となります。

外貨建取引を行う場合は、実際の損益を知るためには為替差損益の計算が必要であり、この金額を損益計算書などに記載することになります。

為替予約

為替レートはその時々の取引に応じて刻々と変動します。場合によっては大幅に変動することがあり、それにより大きな為替差損益が発生するリスクが生じますが、それをあらかじめ予測することは困難です。

そのようなリスクを軽減するため、銀行とあらかじめ通貨・金額・期日などを取り決めた上で固定した為替レートで外貨預金の入出金を行うことができます。このような取り決めを一般に為替予約と呼びます。

これにより、実際のリアルタイムのレートが大幅に変動して不利な状況になったとしても、あらかじめ予約しておいたレートで取引の決済を行うことができます。

ただし、原則として指定された期日までに予約した金額枠を全額使い切る必要があり、使い切れなかった場合は銀行から違約金の支払いを求めれられる可能性があるので注意が必要です。